その場の状況に対応するのが得意なんです By 田中一弘 [2007.2] TOP > web マガジン > コラム バックナンバー > 田中一弘
D1ドライバー・田中一弘
その場の状況に対応するのが得意なんです
D1ドライバーのコラム第8回目は、D1グランプリ初年度から参戦し、チームオレンジのメンバーとしても活躍中の田中選手をピックアップ。2005年の後半に、シルビア(S15)からインプレッサ(GDB)に乗りかえ、彼の熱い走りはさらに加速。チームメイトの熊久保信重選手、末永直登選手とピッタリと息のあった超接近ドリフトはもはや芸術の域だ。そんな田中選手の気になる私生活を語ってもらおう。
プロフィール
田中 一弘(たなか かずひろ) 所属チーム:Team ORANGE
生年月日:1970年7月4日 血液型:RH+O D1グランプリ初参戦:2001年第1戦
出身地:茨城県 職業:Mスポーツ勤務/ドライバー
D1グランプリ最高位: シリーズ6位(2006年)
※2007年2月現在
D1グランプリに仕事に大忙し!
 ボクの本業は、Mスポーツというスポーツ系車種やワゴン、セダン系などのエアロパーツブランドを展開している、マックのスタッフ。高校を卒業してから、ガソリンスタンドや板金屋で働いていたんだけど、縁があって今はマックで頑張っていますよ。
 ここでボクがどんなことをやっているのかというと、基本的にはなんでもするんだけど、D1ドライバーとしての仕事が多いので、会社の業務に集中することができない状況。だから、すごく残念だけど、今はプライベートでのドリフト練習や、山へ走りに行くこともなくなっちゃったんだ‥‥。だけど、自分が主催の走行会なんかでは、いろいろなクルマに乗れる機会があるから、じつはそれが最近の楽しみのひとつだったりするんだよね。

メチャメチャはまってます!
 最近、ボクがはまりにはまっている趣味は、去年の6月からはじめたラジコン。D1選手のあいだでラジコンが流行っているんだけど、遅ればせながらボクも仲間入り! きっかけは、チームメイトの熊久保選手にすすめられたからなんだけど、軽いノリではじめたラジコンに、ここまではまるとは思ってなかったよ。
 ラジコンにもいろいろあるけど、ボクがやっているのは、“ラジドリ”と呼ばれているドリフトラジコン。実車でドリフトしてるから、それだけでじゅうぶんじゃないの?って思うかもしれないけど、じつはこのラジドリ、実車でのドリフトにも役に立つ、奥が深〜いホビーなんだよね。
 なんでかって言うと、D1でドリフトしてるとき、自分では「よしっ、決まったなっ!」と思っても、スポッターを含めたまわりで見ていたひとたちに言わせると「まだまだ角度が足りないよ」ってことがある。実車の場合、どのくらいの角度がついた状態でドリフトしてるかってのは、じつは運転している自分ではわかりづらいんだ。これがラジドリなら、走っている姿を外から見られるから、イメージ通りにクルマを走らせることができる。この客観的なイメージングが実車でのドライビングにも役に立っているんだよね。
 それに、ラジドリの練習を必死にやっているのにはワケがあるんだ。ボクがラジコンをはじめて2週間後、友達のワナ?(笑)にはまって、いきなり“ヨコモ ドリフトミーティング”っていうドリコン大会に勝手にエントリーされちゃってさ。そのときは「ま、やってみっか!」程度の軽い気持ちで出場したんだけど、ドリフトはもちろん、ふつうにコースを1周することもままならなかったんだよね。もう、恥ずかしいを通り越して、情けない状況で大会を終えたわけさ。それが悔しくって、次の日からは猛特訓!! それで今に至るって感じだね。今では友達に誘われればもちろん、ひとりでも毎週のように練習をしに行っちゃうくらいはまってます。

ドリフト暦16年、なんでも乗りこなします!
 ボクのドリフト人生のきっかけとなったクルマは、高校生のときに先輩が所有していたハチロク。ある日そのクルマに乗せてもらったことがあったんだけど、交差点を曲がるとき、先輩が軽くテールを流したんだ。「えっ、今のナニ!? クルマってこんなことができちゃうの??」って、当時クルマのことはなにも知らなかったので素直にビックリ。「なんかおもしろそうだから、ボクもやってみよう!」って思っちゃったんだよね。
 それから免許を取って、即ハチロクを購入! まずは、ドリフトを実践するよりも先にスピードに慣れないといけないと思って、1ヵ月間はとにかくグリップで練習に徹したよ。で、毎日毎日山に通うもんだから、ガソリン代だけで40万円のツケ‥‥。ま、そのツケは必死に仕事をして、無事返済できたんだけどね。
 その後も、ひたすら練習をしていたんだけど、ある日大クラッシュしてしまったんだ。あまりにもショックだったんで、そのときはドリフトなんかもう辞めてしまおうと思ったんだ。だから、次に買うクルマはドリフトができないクルマを選ぼうって思ってさ。そこでチョイスしたクルマはオートマのNA、当然LSDなんかも入ってない普通の71マークIIね。これなら普通に考えればドリフトなんて無理でしょ。ところが‥‥やっちゃったんだ、ドリフトを。
 結局は、オートマでもNAでもできちゃうんだよね、ドリフトって。前に乗っていたハチロクにもLSDは入ってなかったから、とくに不満を感じることもなかったんだよね。ドリフトには不向きであろうクルマを買ったのに、それでもドリフトをしてしまった自分に“やっぱりドリフトが好きなんだ”ってことを確信しちゃった瞬間だったんだろうね。
 基本的にボクは“その場の状況に対応する”のが得意なタイプだから、オートマだろうがLSDのないクルマだろうが関係ないみたいね。ただドリフトがしたいって思いだけで山に通っていたんだ。当時はオートマ車でドリフトしているひとなんて皆無だったから「○○山にオートマの変なヤツがいる」って、よく言われたもんです。(笑)
 数年後、ついにドリフトに適したクルマを買いました。チェイサー(JZX81)のツインターボでマニュアル車。そしてこのクルマが、はじめてのLSD装着マシンだったんだよね。このクルマで、いろいろな大会に出るようになったし、イジリ&壊しすぎて外装はボロボロ。なにを修理しても車検に通らないであろう気合いの入ったルックスだったから、思い出深いクルマ。当時のボクを知っているひとは“ボロボロのチェイサー=田中くん”で通ってるくらいだしね。

休日はゆったりとした時間を過ごしてます
 最近は、ラジドリにはまっているんだけど、じつは魚釣りも大好きなんだ。釣りは小さい頃からやっていて、ブラックバスがメイン。バスフィッシングの醍醐味は、水面に浮いているルアーに向かってバスが食いついてくるところが見えるってところだね。水中に餌をたらして釣るスタイルだとドキドキ感が少ないでしょ?
 それから愛犬のマロンちゃん(チワワ)と公園まで散歩するのも日課。本当にかわいくて家に帰ってもいっつもベッタベタ! かわいすぎてD1で数日間家を離れるときなんか、ホント切ないもん。この気持ちはペットを飼っているひとならわかるよね!?

感動、そしてチームワークを大切に
 D1で負けたとき、悔しくてピットで泣いてしまったことがあったんだけど、そこにボクのファンの男の子がサインをもらいに来てくれたんだ。そのとき「ボクはこんなとこで泣いていて、なにしてるんだろう」って思って、とても励まされたことがあったんだよね。
 確かにD1はきびしい世界だけど、そんな励ましや感動があるからD1はおもしろい! だから、ドリフトイベントなとでよくやる熊久保選手とボクのツインドリも、さらに磨きをかけてファンのひとたちに恩返ししなくちゃって思ってるんだ。
 それに、チームオレンジの全員で“魅せるドリフト”をすることはもちろんだけど、せっかくチームとして結成しているわけだから、チーム一丸となってなにか大きなこともしてみたいんだよね。
 今年も田中一弘としても、チームオレンジの一員としても、がんばっていくから引き続き応援よろしくね!
2001年のD1グランプリ初戦から参戦している田中一弘選手。チームオレンジに所属していてチームメイトの熊久保選手とのツインドリは、これでもかというくらいピッタリ息が合っている。2005年の中盤でシルビア(S15)からインプレッサ(GDB)に乗り換えたものの、マシンチェンジ当初からその安定した走りはまったく変わらない。
田中選手が5年前から勤めているエアロパーツメーカーのマック(茨城県)。人気エアロパーツブランド“Mスポーツ”といえば、知っているひとも多いはず。そのほかワゴンやセダン系など、幅広いエアロパーツの製造、販売をおこなっている会社だ。
普段はマックのスタッフとして働いている田中選手。最近はD1関連の業務が多忙なため、会社内での仕事時間は減っているそうだ。もともと板金屋で働いていたという経歴もあり、エアロパーツの塗装なんかはお手のものだそうだ。
ラジドリをはじめて6ヵ月しか経ってないというのに、使っている道具やセッティングをするための環境はもはや上級者。ちなみにラジドリのホームコースは埼玉県川越市にある“Speed Way Pal”だそうだ。
田中選手の愛犬は1歳ちょっとのチワワ“マロンちゃん”。マロンちゃんって、ちゃん付けで呼んでるんだけど実際はオスだったりする。帰宅後に一緒に遊んだり、休日には公園に散歩に行くのが楽しくてしょうがないんだって。
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応募期間:平成19年2月1日(木)〜2月28日(水)

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関連リンク
・JDM-OPTION D1グランプリ速報
・D1グランプリ オフィシャルサイト
・Mスポーツ オフィシャルサイト
・チームオレンジ オフィシャルサイト
・ヨコモ オフィシャルサイト
・Speed Way Pal オフィシャルサイト
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