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もともとゼロヨン仕様として仕上げられたトライアルのZ32は、サスセッティングの見直しによって完全なストリート仕様へとリメイクされた。排気量アップ&タービン交換がほどこされたVG30DETTの圧倒的なスペックは健在で、いまでも一線級のパフォーマンスを見せるそのメイキングを紹介だ。 | |
じつはこれが2台めのZ32で、つい先日Z33と最後までなやんだあげくZ31を手に入れたというオーナーは、トライアルのスタッフも認める熱狂的なZフリーク。取材車両をふくめて、これまで所有してきたZはすべて2シーターってことからも、その思い入れがわかるってもんだ。 ブーストアップにはじまるチューニングの目的は、ずばりストリートゼロヨンだったという。ただ、純正タービンのパワーにもすぐあきたらなくなって、まずGT2530ツインへと仕様変更。その後、オーバーサイズピストンとH断面コンロッドの組みこみによる排気量&耐久性アップやカム交換など、エンジン本体のチューニングに踏みこんでいくまで、それほど時間はかからなかった。 ちなみに、いまの仕様でのパワー&トルクは最大ブースト圧1.4kg/cm²で600ps/600kgm。さらにNXシステムによるドーピングで100psを上乗せする。もともと高回転域がニガ手なVG30だけにレブリミットは7500rpmにおさえられてるけど、それを補ってあまりある低中速トルクがチューンドVG30ならではの魅力。2500rpmもまわっていれば、右足の動きに即応してケリ出されるように加速していく。 ただ、そのトルクがアダとなって純正ミッションがあっけなくブロー。そこで耐久性を高め、パワーバンドをより有効に使うためHKSの6速ミッションが組みあわされることになった。 いっぽう走りだけでなく“見せること”にもこだわりが満載。アブフラッグのエアロが装着され、あざやかな赤でオールペンされたボディはイヤでも目を引く。しかも各部にはネオン管とLEDがセットされ、暗がりでバツグンの存在感を放つのだ。 インテリアも同様で、シートからドアトリムにいたるまで本革で張り替え、赤と黒でコーディネート。ラグジュアリーな雰囲気さえ漂わせている。 Zは速く、カッコよくなければならない。そんなオーナーの想いがヒシヒシと伝わってくる1台だ。 | |
ウェットショット方式のNXシステムがスロットル全開時に100psを上乗せする!
ENGINE SPEC
VG30DETT改3.1L700ps仕様(最大ブースト圧1.4kg/cm²) ポート加工/TOMEIカムシャフト(IN/EX260度 8.8mmリフト)/JUN強化バルブスプリング、リテーナー/TOMEI 1.2mm厚ヘッドガスケット89φ鍛造ピストン、H断面コンロッド/純正クランクシャフトバランス取り/HKS GT2530×2、強化アクチュエーター、パワーフロー/HKSインタークーラー/5ZIGENフロントパイプ/HKSメタルキャタライザー×2/ZEES EXシステム/オリジナル真ちゅう3層ラジエター/HKSオイルクーラー/ボッシュ燃料ポンプ×2/ワンオフコレクタータンク/ボーダーフューエルデリバリーパイプ/メインインジェクター850cc×6/ニスモレギュレーター/BLITZプラグ/HKS F-CON Vpro、EVC3/NXシステムデュアル装着 | |
ターボチャージャー
1基で320psまで対応するGT2530をツインで装着。現状600psだから、タービン容量としてはまだ余力を残していることになる。写真は左バンク側だけど、右バンク側はステアリングラック&シャフトがあって、タービンのいちぶしか確認することができない。 |
インタークーラー
HKSの前置きタイプをチョイス。VG30DETTはノーマルでも吸排気系が左右独立となっているから、前置きインタークーラーもツインコアとされている。フロントバンパーはアブフラッグ製で、ヘッドライトの下にビルトインされたフォグランプが特徴的だ。 | ||||
ナイトロオキサイド
スロットルボディの手前に打たれたNXシステムの噴射ノズル。スイッチ切り替えによってスロットル全開時に自動噴射、またはプッシュボタン操作での手動噴射を選ぶことができる。これで、さらに100psのパワーアップが図れるという。 |
エキゾーストマフラー
鏡面材とクロームメッキの組みあわせで究
極の輝きを実現したZEES EXシステム。排気効率の向上はもちろん、4本出しの100φテールがリヤビューに迫力をあたえる。 | ||||
DRIVE TRAIN SPEC
HKSトリプルプレートクラッチ、6速MT/クスコLSD | ||||
トランスミッション
テンションロッドはメンバーごとクスコ製。車高調はDG-5の試作品だ。セッティングが決まれば商品化もされるかも。ブレーキはローター&キャリパーもパッドもノーマル。あまり減速しないからこれでじゅうぶんなのだという。ちなみにマスターバッグも取りはずしている。 |
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速さだけでなくカッコよさも追求内外装へのこだわりもハンパじゃない!
SUSPENSION & BRAKE SPEC
クァンタム車高調/Fスイフトスプリング(10k)Rノバスプリング(7k)/FブレンボF50キャリパー+ローターRブレンボロータスキャリパー+ローター/ステンメッシュホース/PFCパッド/ラインロック | |||||
リヤサスペンション |
フロントサスペンション |
ゼロヨン仕様からストリート仕様へとリセッティングされた足まわり。クァンタム車高調にフロント10kg/mm、リヤ7kg/mmのスプリングが組まれる。 | |||
INTERIOR SPEC
内装トリム本革張り替え/センターパネルウォータープリント加工/ヴィクトールステアリング/レカロSP-G/アペックスタコメーター、水温、油温、ブースト計/ブリッツA/F計/5点式ロールバー/カロマット | ||||
インパネまわり
運転席側のAピラー周辺にタコメーターとブースト計をセット。助手席の目の前には水温&油温計がならぶ。その上のスイッチはネオン管とLED用。赤い本革で張り替えられた内装トリムにあわせて、センターパネルもウォータープリントでコーディネートされる。 |
シート
シートはサポート性を重視して運転席、助手席ともレカロSP-Gに交換。センターコンソールなどとあわせて、表皮は本革に張り替えられる。また、この角度からだとリヤまわりに組まれた5点式ロールバーも確認できる。 |
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EXTERIOR SPEC
サーブ純正レッドオールペン/アブフラッグフロントバンパー、サイドステップ/ボーダーボンネット/ネオン管/LED/トライフォースゼルダマグナム(F8J+32 R9J+38)/FダンロップD01J(235/40-18) RポテンザRE540S(265/35-18) | ||||
ホイール&タイヤ
ホイールはトライアルオリジナルのトライフォースゼルダマグナム。サイズはフロント8Joff+32、リヤ9Joff+38だ。これに組みあわされるのがフロント235/40-18のダンロップD01J、リヤ265/35-18のポテンザRE540S。 |
リヤフェンダー
片側20mmちかくたたき出されたリヤフェンダー。これはポジティブキャンバーがついたリヤタイヤを収めるためにとられた策で、かつてのゼロヨン仕様のなごりだ。 |
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ボンネット
ボンネットはボーダー製で、上部にもうけられた4つのアウトレットダクトからエンジンルーム内の熱気を効率よく抜くことができる。熱的にキビシイZ32のクーリング性能アップに貢献してくれるパーツだ。 |
取材協力:トライアル 大阪府堺市美原町丹上87-1 072-369-3539 http://www.trial.co.jp/ | ○ このページの先頭へ |