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クルマは走行中、外からかかる力(路面からの入力)によってボディがしなったり、ねじれたり、目に見えないレベルではあるが、ゆがみが生じている。「ボディ剛性」というコトバを聞いたことがあると思うけど、剛性が高いボディはゆがみが小さく、剛性が低いボディはゆがみが大きくなるのだ。 では、ボディがゆがむとどうなるか? ボディをある程度しならせることは、路面からの衝撃をボディが吸収してくれるので、快適性の向上につながることもある。しかし、ボディがゆがむと路面へと伝えたい力もいっしょに吸収されてしまうことになり、コーナリング性能やトラクション性能が下がってしまうのだ。しかも、どれくらいゆがむかをドライバーが知るのはむずかしく、スポーツ走行となるとそのゆがみによってクルマの挙動が不安定になる。すると、クルマがドライバーの意図とはちがう動きをしてしまい、コントロールしにくくなってしまうのである。 そこで、スポーツ走行を楽しむためには、ボディ剛性のアップが必須となるわけだが、なかでも手軽で効果的なのが、フロントストラットタワーバーの装着だ。 |
サスペンションを固定しているストラットタワーまわりは、路面からの入力を受けやすい部分で、とくに操舵を行うフロントはハンドリングへの影響も大きい。コストを優先する自動車メーカーが、フロントにストラットタワーバーを純正採用することがあるのも、ハンドリング性能を上げるため。それだけ大きな効果が得られる、ボディ補強パーツということなのだ。 | ||||||
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コーナリング中、片輪に荷重状況を想定して、停止がかかっている状態で左フロント部をジャッキアップ。このジャッキアップした左フロント部が、コーナリング中の外側フロントタイヤからの入力となる。 | 左フロント部をジャッキアップした状態で、中心をカットしたストラットタワーバーを見てみると、左右でこんなにもボディがゆがんでいた! もっと大きなGが発生するコーナリング中なら、さらにゆがみは大きくなるはずだ。 |
ストラットタワーバーを何のために装着するのかわかってもらったところで、今度は非装着と装着状態でじっさいに走行し、そのちがいを体感できるかテスト。テスターはJAF関東ジムカーナ選手権に参戦している、まちゃみこと雅美ちゃん。テスト車両はS15シルビアで、車高調にクスコZERO-2E、LSDにクスコTYPE-RS、そしてタイヤにポテンザRE-01R(F:225/45-17 R:235/45-17)を装着する、足まわりをチューニングしたストリート仕様だ。 まずはパイロンスラロームテストから。5本のパイロンを等間隔に並べて、そこをストラットタワーバー非装着と装着で40km/hの速度をキープして走行。 |
まちゃみのインプレッションに加え、それぞれフロント車高調のピストンロッドの一番下にタイラップを巻き、そのタイラップ位置のズレによってダンパーのバンプ量、すなわちダンパーがどれだけ縮むかも比較。ボディ剛性が上がっていれば、路面からの入力がボディへと逃げなくなるぶん、バンプ量は多くなるはずなのだが‥‥。 次に行ったのがサーキット周回走行。コースは低中速コーナーの続く本庄サーキット。パイロンスラロームよりもRの大きいコーナー、つまり高いスピードレンジで、ストラットタワーバー非装着と装着でどのようなちがいが出るか。はたしてその結果は? |
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「タワーバーを装着していないとフロントの接地感が少なく、コーナー手前のブレーキングで挙動が乱れて、コーナー出口でもなかなかアクセルを踏めませんでした。それに対して、タワーバーを装着すると挙動が安定して、ブレーキングもコーナリングも安心感が高くなりますね。スラロームと同じく、ターンインもラクになりました」 |
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