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パイプフレームにFRPフルカウル! | 真ん中だけ残してあとはブッた斬り! | ライバル岩下くんがCHECK! | ダート走法もゼブラカットも思いのまま! 前後バンパーをブッた斬り! | ライバル渡辺くんがCHECK! |
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いままでも顔移植やテール移植などいろんな個性派180SXを紹介してきたけれど、この2台を見たらぜんぜんマトモにかんじてくるよ。だってこっちは原形とどめてないからね! ストックカーもビックリのほとんどフルパイプフレームとか、オフロード走破用みたいなバギーなんだもん! 「日光にヘンテコなクルマが走ってます!」なんてタレ込みがちょこちょこあるんで探り入れてたんだけど、実物を見てブッたまげたよ。そんでもってこのふたりいわく、それぞれのモディファイは一瞬芸のウケ狙いじゃなく、真剣に走りを追求して辿り着いた結果なんだって! まさにアンビリ〜バボ〜! |
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パイプフレーム化したいちばんの目的は180SXをとことん軽量化をすること。ちょっとまえに自分のワンビアのドアのパネルを切り取ってFRPで貼り替えたら、ずいぶんクルマが思い通りに動くようになったのに味をしめちゃった。「左右のドアだけでこれだけ変わるんだから、いっそのことボディまるごとFRPにしたらスゴイんじゃないのぉ!?」と、このときから渡辺くんの強烈180SX製作記がはじまるのであーる。しかし外装をフルFRPにするためには、まず外装なしで剛性を保つシャーシを作らなければならない。しかも軽さだって重要だ。当初「やるからにはフルパイプ!」と考えていた彼も、さすがにエンジンやミッションのマウント方法や足まわりの位置あわせなどイチから構築するには不安も大きく、事故車の180SXをベースに駆動系がマウントされているフロア部分は残し、それを補うカタチで合計30mもの鉄パイプで補強した。製作のお手本はなんとプラモデルだったと言うからおもしろい。パイプフレームなんてまともに見たこともなかった彼が、たまたま見つけたのがフォードサンダーバードのナスカー仕様のプラモデル。「パイプフレームまで詳細に作ってあったんですよ」と、そっくりそのままマネしちゃったんだって。そして肝心カナメのフルFRP外装は、市販エアロをいっさい使わない完璧ワンオフ製作。渡辺くんチの隣にあるインテンションというエアロ屋さんに協力してもらい、180SXを型に3分割で抜いて合体! ワンプライだからすっごく軽く仕上がった。チョップドスタイルがイカチ〜! ところがこの日のシェイクダウンでは、走行直後に自慢のFRPカウルが風圧でペシャンコ。さらに屋根が風船みたいにふくらんで裏ストレートで吹っ飛んじゃった。「FRPが薄くて剛性不足? それよりも空気の逃げが必要だったかも…」と、まだまだフルカウルには改良の余地がありそうだったぞ。で、気を取り直してノンカウルで走行スタート。気になるパイプフレームは意外にも剛性感バッチリで、ゼブラにガンガン乗ってもぜんぜんヘーキだったという。軽量化の効果も予想以上に大きく「加速のレスポンスはサイコー! ただ、リヤが軽くなりすぎてトラクションがかからなくなったみたい」と渡辺くん。まぁシェイクダウンとしては大成功だったんじゃないかな! | |||
ホンモノの180SXを使い、フロントフェイス、テール部分、屋根の3ブロックにわけてFRPで直接型抜きカウルを製作、その3つを張り合わせてフルカウルにしたんだ。できるだけ重くならないようにFRPマットも1枚重ねだから、ひとりで持ちあげられるほど軽いんだよ。 |
ほとんど中古パーツ活用で完成したいるけど、AZZ製の燃料タンクだけは新品で購入した。パワステタンクもエンジンルームの熱から避けるために室内に移設したんだけど、結局オイルを吹いちゃって室内がオイルまみれに…。 |
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リヤまわりはリヤメンバーの後ろで切断。後ろはほとんど重量物がなくなったため、トラクションがかなり不足するようになってしまった。「燃料タンクを後ろに戻したほうがよさそうですね〜」って悩んでいたぞ。 |
「超軽量ボディに超レスポンスのいいエンジン」をテーマにしているため、NA4スロ仕様をチョイス。N2レースパーツのスロットルボディを中古でゲットした。インタークーラーやタービンなどの補記類がないためここでも軽量化でき、バッテリーやヒューズボックスは室内に移動して重量バランスも考慮している。パイプフレームで支えられたストラットタワーが強烈だね! |
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見られることも意識して、ダッシュパネルもアルミ板でキレイに製作。エンジンルームの配線はすべてセンターコンソールの裏側にまとめ、ヒューズボックスも見やすい位置に。トラブル対処もスピーディ! |
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3コイチで作ったとは言え、フルカウルはカンタンにできるモンではない。FRPを抜くときに失敗して180SXのボディを1台ボロボロにしちゃったらしい。 |
前後の足まわりはフレームのスキマから丸見え。おかげでタイヤをはずさなくても車高もアライメント調整もできるんだ。とはいえ、エンジンルームに跳ね石が入ってこないかちょっと心配。 |
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パイプフレームとおなじく夢だったチョップドスタイルを実現するため、市販の8点式のロールバーは下の部分を14cmカットしフロアに固定。このおかげで屋根を低くすることができたんだ。FRPカウルもこれにあわせて屋根も低めに作ってあるぞ。 |
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ここまでモディファイしちゃったら、ちょっとやそっとじゃベース車がバレないだろうな。編集部でも最初は「ジムニー? パジェロ? あ!マイティボーイだ!」なんて見当ちがいなこと言ってたからね。走りはさすが180SXだけあってイケイケ! これだけパワフルで振りまわしやすいクロカンFRはほかにないだろうな! | ドリフト歴は5年でミニドリコンならじゅうぶんに表彰台に上れるエキスパート。この180SXバギーにはまだ車検が残っていて、ちゃっかり自走で日光まで来ちゃったんだからグレート! 普段はフツーの会社員で、住宅のリフォ−ム関係の仕事をしているそうだ。つまり自分のクルマもリフォームしちゃったワケだ。 |
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エアロレスのボディにグリルガード、しかもリヤはピックアップでフロントからリヤへとファイアパターンが入ってる。クロカンやダートトライアルが似合いそうだけど、それよりも映画のマッドマックスに出てきそうな怪しい雰囲気…。どこかのRV車が迷いこんだのかと思いきや、なんとベース車は180SXだった! いちばんの特徴であるリトラやリヤハッチを失っているけど、ドアやピラーなどのボディラインはたしかに…。前後のバンパーをはずしただけでなく、ボディもフェンダーやフロアをざっくり切ってショートボディ化されていて、パッと見ただけでも加工はハンパじゃないぞ〜。これを作ったのはオーナーの岩下くん。ボディを切ったり、バーを溶接したりという荒技もすべて自分でやったんだけど、特別な道具を使ったワケじゃなく、サンダーや100V用溶接機など身近にあるものばかり。新たに作った荷台の部分も、じつはベニヤ板やFRP、パテなどが材料だったりするんだよね。じつは以前、前後をブツけてしまったセフィーロのボディをショート化して直したことがあり、この180SXも友だちのアンコールに応えて作ったんだって。「はじめはただ全長の短い180SXだったんですけど、友だちが『これも使ってみなよ』ってデリカの80扁平タイヤを持ってきたんですよ。こんなに外形のでかいタイヤを履くには車高を目一杯上げなきゃいけないし、ドリフトするにはタイヤも何本か積めなきゃなんない。そこで車高を上げたところで頭に浮かんだのがこの姿なんです!」と岩下くん。よく考えたらこのカタチは究極のドリフトスタイルかもしれないぞ〜。もとが180SXだから走りはイケイケだし、ブツけて困る部分がないからフツーじゃない攻めかたができるし、スペアタイヤもウンと積める。RV車をドリ車にするより手っ取り早いよね! 本人もそれが狙いで、激しくアクロバティックな攻めっぷりは最近じゃ日光の名物になっているんだ。気になる乗り味は「乗ったらけっこうフツーですよ。ちょっとタイヤのヨレが大きいかな」だそうだ。 | |||
違和感なくマッチしているルーフスポイラーだなぁと思ったら、なんとFD3Sの前期用リヤスポイラー。なにげにハイマウントストップランプも点灯するんだぜ。 |
つや消し黒のボディもファイアパターンも、すべて缶スプレーで吹いた。「まだまだこれからッスよ。これから赤のスプレーで色付けします」って取材中にパドックで塗ってました。 |
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変わったテールレンズだなぁと思ったら、なんと180SX中期用を加工したものなんだって! 端をカットして縦に装着しただけなんだけど、イメージがガラリと変わってピックアップにピッタリなスタイルになってるね。 |
リヤシート部分にある仕切りはなんとベニヤ板。ガラスもアクリルではなく、安い塩ビ板なんだって。サーキットを走っててもなんの問題もないそうだけど「さすがに雨の日は漏っちゃってヤバイんすよ」と岩下くん。 |
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ロールバーからバルクヘッドへと補強バーを追加して剛性をアップ。軽量化もかねてダッシュボードまではずされてるのにもかかわらず「サーキットの行き帰りで、ラジオとか聴けないとツライでしょ」と、なぜかエアコン&オーディオも完備していた。 |
ホームセンターで購入した汎用のニードルバルブを使って、機械式ブーストコントローラーを自作。S15タービンを装着してブースト0.7キロに設定している。まえに購入したレールワークのインタークーラー水平マウントキットが、オーバーハングの大胆カットに役立ったそうだ。コアサポートは作り直してるけど、エアコンコンデンサーも残してある! |
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ヘッドライトは180SX用をそのまま使って固定ライト化に。ボンネットとフェンダーの縁をライトのかたちにうまくあわせてあるんだ。ウインカーはバイク用を流用していたぞ。 |
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テール部分を失ったために、行き場を失った燃料タンクはなんとリヤシート部分にドン。向きを180度変えて、フロアの形状にあわせて叩きまくったら収まったそうだ。 |
グリルガードはただ見た目のインパクトアップのためだけではない。バンパーがなくなったぶん、ラジエターやエアコンコンデンサーをクラッシュから保護するために効果的なんだって。 |
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タイヤはデリカなどが履いている225/80の15インチ。このサイズを履くためにRGの車高調をギリギリまで伸ばしているそうだけど、意外にもアーム類は純正のままでもアライメントは調整できたそうだ。 |
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