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キーワードはレーシング・モダン 世界に通用するスーパースータイリング!! TDC-057 SPIDER RX-7 [FD3S] Produced by TAMON DESIGN
リヤミッドシップならではの高い運動性能を持ちながら限界域での挙動がピーキーと評されがちなSW20。ところがフェニックスパワーが手がけたこの1台は熱心なSW20オーナーとの二人三脚で速さと操安性を高い次元で両立しているのだ。しかもオーナーは「いろんな仕様を楽しみたい」ということでタービンとコンピューターを数セット所有してたりする。今回はTO4Rを組んだ620ps仕様での試乗だ。
リヤが安定してるから
全開でもコワくない!!
 オレにとってMR2ってのは、じつはあまり得意なクルマじゃないんだよな。ノーマルでもリヤミッドシップ独特のクセがあって乗りこなすのがムズカシイし、パワーのあるチューニングカーとなるとなおさらだから。
 でも、このMR2はホントよくできてるね。600psオーバー、それも5000rpmあたりからドカーンとパワーが出る過激な仕様なのに、3速全開でもリヤがあばれることなく安定しきってるからな。トラクション性能はバッチリだよ。試乗の途中で雨が降ってきちゃったんで5速全開まではためせなかったけど、その速度域でも安心して乗れると思うゾ。
 それからハンドリングの手ごたえはじゅうぶんだし、どっしりと落ち着いたフィーリングもイイかんじだね。このあたりは足まわりのセッティングがバッチリ決まってるからだろうな。
 むかしはMR2のチューニングカーというと、パワーばかり出てて足まわりがまったくついてこないクルマが多かったけど、コレはそうじゃない。チューニングの進歩をかんじるよね。と同時に、こんなにパワーを出して乗ってるなんて、MR2に対するオーナーのホレこみようもビシビシ伝わってくるよ。よっぽどこのクルマが好きなんだろうな。
ボア&ストローク拡大で2.2化された3S-GTは
ヘッドまでみっちり手が加えられたフルチューン仕様
TO4Rにブースト1,8kg/cmをかけ620psを発揮!
ENGINE
3S-GT改2.2L換装618ps(最大ブースト圧1.8km/cm) ポート拡大加工、燃焼室加工/オリジナルカムシャフト(IN:272° 11.5mmEX:280° 11.5mm)、ハイリフト対応バルブスプリング、チタンリテーナー、バルブリフター/HKS1.2mmヘッドガスケット/オリジナル87φ鍛造ピストン、H断面コンロッド/5F用改クランクシャフト/HKS TO4R/アペックスレーシングウエストゲート/オリジナル48.6φエキマニ、85φフロントパイプ、デパーチャーマフラー(メイン85φ テール115φ×2)/HKSパワーフロー/オリジナルトランク収納タイプインタークーラー、パイピング(IN:80φ OUT:90φ)/インフィニティ90φスロットル/オリジナル16段オイルクーラー/ボッシュ燃料ポンプ×2/HKSデリバリーパイプ/SaRD調整式レギュレーター/BLITZインジェクター1000cc×4/NGK IRIWAY8番/アペックスパワーFC/オリジナルCタイプツインプレートクラッチ、5速クロスミッション、シフトケーブル強化カラー/TRD LSD/オリジナル4.5ファイナル

腰下にはオリジナル鍛造ピストンとH断面コンロッド、5F用改オリジナルクランクシャフトが組まれボア87φ、ストローク91mmの2163ccとされている。ヘッドまわりにもフェニックスパワーのオリジナルパーツがふんだんに使われ、ワークスマシンなみの仕様をほこる。トランクにセットされたインタークーラーが圧巻だ。
ターボチャージャー
今回の取材にあたってタービンをTO4Rに交換。パワーFCでセッティングを取り直し、最大ブースト圧1.8kg/cm2で618ps/56kgmを発生する。ちなみにT51R SPL BB+Vプロ制御というピークパワーねらいの仕様では、最大ブースト圧2.5kg/cm2時に777ps/71kgmをマーク。オーナーは1台のクルマで、それぞれの仕様を取っかえひっかえ楽しんでいるというのがスゴイ。
カムシャフト
オリジナルカムシャフトの作用各はIN側272度、EX側280度で、リフト量はどちらも11.5mmというプロフィールを持ったモノ。さらにヘッドにはカム山の逃げ加工がほどこされ、バルブスプリングやリテーナー、リフターもカムにあわせたオリジナルの専用品が組まれている。
キャタライザー
150セルという大型メタルハニカムを採用し、排気抵抗の低減と排ガスの浄化を両立したオリジナルスーパーキャタライザー。取材車両では左のケースを使わず、右のキャタライザー本体をフロントパイプの途中に溶接するカタチで装着されている。
スロットルボディ
吸気抵抗をへらし、中高回転域でのパワーとレスポンスの向上を図るため、スロットルボディはインフィニティ用90φに交換されている。ちなみにパイピングはIN側80φ、OUT側90φだ。

エキゾーストマフラー
メイン85φ、テール115φのオリジナルマフラー、デパーチャーを装着。排気効率アップはもちろん、左右対称に2分割されたレイアウトとメインサイレンサーがリヤビューに強烈なインパクトをあたえる。ナンバーの下にセットされるのはオリジナル16段オイルクーラー。
SUPER&BRAKE
オリジナルサスペンションキット(オーリンズベース)/kg/mm DR21/オリジナルFロワアーム、ピロテンションロッド、タイロッドエンド、Rロワアーム、トーコントロールアーム/F JZA80純正4POTキャリパー+ローター/Fイマージュパッド/APPアールズステンメッシュホース/トラストスーパーDOT4

サスペンション
オーリンズをベースとしながらも、ケースがフェニックスパワー専用設計となるオリジナルサスペンションキット。スプリングはkg/mmのDR21で、純正形状ながらバツグンのトラクション性能やハンドリング性能、乗り心地を実現した自信作だ。また、アーム類も交換ずみ。フロントロワアーム、テンションロッド、タイロッドエンド、リヤロワアーム、トーコントーロールアームはいずれもオリジナルとなる。
ブレーキ
「パワーに見合ったブレーキを」ということで、フロントにはJZA80純正4ポットキャリパーとローターを移植。これにイマージュ製パッドを組みあわせることで、絶対的な制動力とコントロール性の向上が実現しているのだ。
INTERIOR
TRD320km/hフルスケールスピードメーター/アペックスタコメーター、ブースト計/トラスト水温、油温、油圧、燃圧、排気温計/オリジナルロールケージ/レカロSR-×2/サベルト4点式シートベルト/atcステアリング/BLITZデュアルSBC/アペックスレブスピードメーター
インパネ
スピードメーターはTRD300km/hフルスケールに交換され、タコメーターはアペックス1万rpmタイプが埋めこまれる。また、ダッシュボード上にはブースト圧、油温、排気温、センターコンソールには油圧、水温、燃圧の計6つの追加メーターがならぶ。
ブーストコントローラー
パワーFCでの制御もできるけど、ブースト圧のタレがなく安定性も高いということで、ブリッツデュアルSBCを使用。その左にはスピード&エンジン回転数を表示するほか、ゼロヨンや0-300km/h計測も可能なアペックスレブスピードメーターが装着される。
EXTERIOR
オリジナル固定式ヘッドライトキットつきフロントバンパースポイラー(リップスポイラー調整式)、フラットボードつきサイドステップ、リヤバンパースポイラー、エンジンルームボンネットスポイラー、トランキングエアダクト、リヤウイングタイプ3/ボーダーフロントフード/アドバンネオバ(F215/40-17 R255/35-18)/シュテルンBBS(F7J+35 R9J+48)
リヤまわり
エンジンルームの熱気を抜くボンネットスポイラーと、インタークーラーへ効率よく走行風を取り入れるトランキングエアダクトを装着。機能面での効果を追求した結果のデザインだけど、それが見ための迫力にもつながっていたりする。リヤウイングはオリジナルのタイプ3だ。
フロントまわり
個性的なフロントマスクを演出する固定式ヘッドライトがキットになったオリジナルフロントバンパースポイラー。リップ部の高さを変えることができ、車高や走るステージにあわせてセットアップできるスグレものだ。ボンネットはボーダー製で、ラジエターをとおった走行風をボディ上面に抜くアウトレットダクトつき。
取材協力:フェニックスパワー福井SPL
福井県坂井郡丸岡町一本田中34-42-1 0776-67-2980 http://www.phoenixs.co.jp/
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