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ミツビシ コルト ラリーアート バージョンR From JDM-OPTION[2006.07] |
長距離移動もこなせるヨーロピアンホットハッチだ! |
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見えない部分のボディ剛性も、バージョンR化でさらに強固になっている。 スポット溶接はバージョンR以前に比べて1.5倍。Dピラーやリヤフロアバーをさらに補強し、リヤサスペンション取り付け部にガゼット、フロントサスペンションにクロスメンバーをもう一組追加し、ボディ剛性を約30%アップさせたのだ。 ランサーエボリューション作りやWRC参戦のノウハウも投入されている補強は、コンピュータ上のシミュレーションだけでおこなうのではなく、実車による「トライ エラー」の走行テストで鍛え上げている。最大限の効果を発揮しつつ、重量増を最小限に抑えるようにテストで組んだ補強なのだ。 サスペンションも「作り直し」と思えるほど手が入っていて、前後ともにダンパー減衰のリセッティングやスプリングレートアップはもちろんのこと、フロントはスタビ径アップ、ロアアームのリーンフォース追加による閉断面化(剛性アップ)、リヤはトーションビームの高剛性化など改良は多岐にわたる。 そしてタイヤは、なんと市販ストリートラジアル最高峰のアドバン・ネオバを採用! バージョンR化はMTの採用やエンジンのパワーアップだけでなく、ボディからタイヤまで、高い密度で進化しているのが細部にうかがえる。 そうして作り上げたハンドリングは、エンジン特性やギヤ比ともおなじ方向性の味付けだ。タイトな峠道を重視しているというよりは、速度粋の高いワインディングや高速走行を重視しているといっていい。 |
ステアリングギヤ比をクイックにするなどノーマルのコルトに対してスポーティに味付けしているハンドリングではあるが、2速でまわるタイトなコーナーが続くワインディングではややアンダーが顔を出す。軽快さが少なく、S字などで右コーナーから左コーナー、もしくは左コーナーから右コーナーへの姿勢移動などは安定性重視で、車体の軽さを生かしたホットハッチらしいキビキビ感が少ないのが残念なところだ。 しかし、3速以上の高速コーナーだと水を得た魚状態。コーナリング中の落ち着きがあり、進入から出口までの車体の動きと接地感にコンパクトカーとは思えない安定感をみせてくれる。タイトな峠での俊敏さよりも、高速コーナーを重視したサスペンションに仕上げているのが、コーナリング中の安定感からよく伝わってくるのだ。 優等生的なエンジンと安定性重視のサスペンションが意味するもの、それはラリーアート バージョンRが目を三角にして汗をかきながらタイトなコーナー攻めるための熱血ホットハッチではないということ。安定した走りとツーリング性能を身につけた、大人のコンパクトハッチを目指しているということだろう。 そんな味付けは決して悪いものではないのだが、本音をいえばせっかくのホットハッチなのだから裏山のタイトなワインディングもキビキビ走れる軽快さもあれば、ドライビングがもっと楽しくなるはずだ。もちろんその願いは、サスペンションチューニングが解決してくれるにちがいないだろうね |
サスペンションは、ヨーロッパ専用のターボモデル「コルトCZ-1」用をベースに、スプリングレートを高めてショックの減衰力もチューニング。ローター径を大きくするなど、ブレーキも「ラリーアート」に対して強化済。 | タイヤはなんと「アドバン・ネオバ AD07」を標準装備。D1車両にも使われている市販ハイグリップタイヤの最高峰だ。サイズは205/45R16で、7本スポークのアルミホイールと組みあわせているが、少々オーバークォリティ気味!? | |||
ホワイトの文字盤にレッドのフチ取り、そしてレッドの文字で240km/hまで刻んだフルスケールのスピードメーターがヤル気だ。このメーターは5MTモデル限定。CVTはブラックの文字盤で180km/h止まり。 | メーカーオプションでレカロのセミバケットシートも用意。ランエボVIII MRとおなじアイテムだ。インパネの赤いパネルとセットで16万8000円‥‥ということは、シートレール付で1脚あたり8万4000円とお買い得! | |||