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ミツビシ ランサーエボリューションIX MR GSR From JDM-OPTION [2006.10]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
ミツビシ ランサーエボリューションIX MR GSR PART2
MITSUBISHI LANCER EvolutionIX MR GSR
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ローダウンし、アイバッハのスプリングを新採用
 2003年1月に発売されたランエボVIIIから継続採用されている6速トランスミッションは、当然このエボIX MRにも使われている。2〜4速のギヤ比は5MTのスーパークロスミッションとほぼ同等。5〜6をハイギヤードな設定にして、コーナー立ち上がりの加速性能と高速巡航性能を両立したギヤボックスだ。クロスしているギヤ比だから高速巡航は辛い、なんことは騒音面も含めて心配しなくて大丈夫。
 電子制御センターデフのACD(アクティブ・センター・ディファレンシャルシステム)、後輪左右のトルクを任意に振りわけてヨーをコントロールするスーパーAYC(スーパー・アクティブ・ヨー・コントロール)、ACD+スーパーAYC+ABS統合制御など、ランエボにはハイテクデバイスがてんこ盛り。でも、そんなハイテクデバイスの採用は、ランエボの速さへの貪欲なまでの取り組みを形にしているといっていい。サスペンションだけでなく駆動系まで含めて旋回性能を高めることで、コンマ1秒でも速くコーナーを抜け、数センチでもライバルより先にゴールしようという心意気がランエボをここまで進化させているのである。
 そしてこのランエボIX MRでは、AYCが見直された。駆動力移動の制御最大値を約10%アップし、クルマ自身が曲がろうとする動きを一段と高めているのだ。
 かつてランエボ6.5と呼ばれた“トミーマキネンエディション”がそうだったように、こんどのランエボIX MRのサスペンションも、ターマックでの走りを重視した味付けが施されている。ランエボIXとのちがいは、「車高ダウン」「ダンパー減衰力のチューニング」そして「アイバッハ社製スプリングの採用」の3点である。
 そう、ランエボIX MRでは、ランエボとはじめてアイバッハ社製のスプリングを採用した(GSRに標準装備で、RSにメーカーオプション)。スプリングレートはランエボIXよりも約5%高めに設定し、それにあわせてビルシュタイン製単筒式ショックアブソーバー(フロントは倒立タイプ)の減衰力もリファイン。微低速域の動きを滑らかにして路面との接地性を高めている。車高は、重心を下げるためにフロント10mm、リヤ5mmダウンした。
 文字にしてしまうとわずかな変更だが、実際に乗ってみると、この足まわりのリファインは乗り味の印象を大きく変えるものだった。
サスペンション形式は、フロントがストラットでリヤはマルチリンク。黄色いビルシュタインのショックアブソーバーに、赤いアイバッハのスプリング。そして真っ赤なブレンボ製ブレーキキャリパーと、世界の一流ブランドを奢っていて見た目も鮮やかだ。ブレーキローターは、フロント17インチ&リヤ16インチ。 タイヤはADVAN A-046で、前後ともにサイズは235/45R17。BBS社製の鍛造ホイールはメーカーオプションで、標準装着しているのはENKEI社製のアルミホイール。BBS製は金属の素材感あるダイヤモンドブラッククリア塗装へ、ENKEI製はシルバーへカラーリングを変更した。
基本駆動力配分を50:50としながらも、走行状態に応じて油圧多板クラッチによりデフの作動制限をフリーから直結4WD状態までコントロールするACD。スイッチ操作により、「ターマック(乾いた舗装路)」「グラベル(濡れた路面/未舗装路)」「スノー(雪道)」に任意で切り替えることができる。 トランスミッションは継続採用の6MTで、ギヤ比などにランエボIXからの変更はない。シフトレバーの脇には“MR”を主張するオーナメントパネルが備わる。
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