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日産 スカイライン 350GT From JDM-OPTION [2007.01]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
日産スカイライン 350GT タイプSP バージョンS PART2
NISSAN SKYLINE 350GT Type SP
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HRエンジンは精密さよりも色気
 新型スカイラインのアピールポイントは、もうひとつ。それが、VQ25HR、そしてVQ35HRと呼ばれるFR専用で次世代のVQエンジンだ(スカイラインに続きZのマイチェンでも採用された)。特徴は7500rpmまできっちりまわる高回転のキレと、あらゆる場面で力強い高出力、そして官能的なエンジンサウンド。そもそも、HRのことを「High Revolution(高回転)」そして「High Response(高い応答性)」と日産があえて説明するところからして、開発陣のやる気が伝わってくるというもの。
 主要寸法の見直しからはじまったというこのエンジンは、クランクシャフトの支持剛性を高めるラダーフレームの採用(VQ35HR)、クランクシャフトのジャーナルとピンのサイズアップ、コンロッド長の延長などにより摩擦や振動を低減。そして左右完全対称吸排気システムにより吸排気抵抗を減らし、燃焼の効率化やフリクションロスの低減、圧縮比アップなどで進化して生まれ変わっている。
 最高出力は排気量2495ccのVQ25HRで225ps、そして排気量3498ccのVQ35HRで315psとオーバー280psを達成。走ってみると、さすがに旧タイプのVQエンジンとは別物だ。VQエンジンって低速トルクはしっかり出ている印象だけど、まわそうとすると嫌がる、まるでアメ車のようなエンジンだったのがまるで嘘のよう。7500rpmまでキッチリまわる仕立てになっている。高回転のパンチは今ひとつのような気もするけれど(低回転トルクが厚いからそんな印象になってしまうのだろう)、イタ車のようなエンジン音と勢いでまわるような回転フィールがなんとも色っぽい。
 駆動方式はもちろんFR(2.5LモデルにはアテーサE-TSによる4WDも設定)。そしてトランスミッションは全車5速オートマチックだ。
 このオートマチックは、もちろんただのATじゃなくて、今どきのスポーツATには定番のシフトマチック付。レクサスなんかとちがって、シフトレバーはDレンジのままでもパドルに触れるだけでシフトアップ/ダウンできるのはうれしい特徴だ。デフは、ビスカスLSDを用意している。
 ただ、そんなドライブトレインに不満がないわけじゃない。「えっ、今どき5速!?」なんていう突っ込みをいれるつもりはないけれど、本音をいえば、せっかくのスポーツセダンなんだからマニュアルミッションを用意して欲しかった。アメリカ仕様にはあるんだから、ね。
リニューアルしてHR系となったVQエンジンは、3.5Lで315psを発生。完全左右対称吸排気なので、インテークパイプも左右対称になっている。アイドリング時から共鳴し、響きのあるサウンドが官能的だ。 テールパイプは左右2本出しになっているが、出口だけが左右対称になっているのではなく、エンジン直後のエキマニから完全に独立した排気系だ。排気干渉を防ぎ、排気効率を高めている。
トランスミッションは全車5速ATで、よりスポーティな変速になる「DSモード」も組み合わせている。また、シフトダウン時にエンジンを空ぶかしして回転をあわせる「シンクロレブコントロール」も採用。 ステアリングの奥には、ステアリングを握ったまま操作してシフトアップ/ダウンがおこなえるパドルを装備。マグネシウムにレザーを巻いた、上質な作りだ。ただし、ステアリングの回転とは同調しない。
カーナビ装着車のセンターパネル最下部にあるのは、SDカードスロット。SDカードに保存した音楽データを再生できるほか、地図の書き換えや車両の自己診断もこのスロットを使っておこなう。 高速走行時はもちろん、渋滞などで時速5km/h程度まで車速が落ちても使える、低速追従機能つきのオートクルーズをメーカーオプション設定。レーダーにより前走車に一定の車間をあけて走る。
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