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ホンダ シビック タイプR From JDM-OPTION [2007.07]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
ホンダ シビック タイプR
HONDA CIVIC TYPE R PART2
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ワインディングでひたすら限界の高いサーキットを本拠地とする足
 実をいえば普通のシビックも、セダンとしてはきわめてスポーティな足まわりのセッティングだ。日本じゃ実用セダンとしか思われていないシビックだけど、北米ではスポーティセダンとして人気。200ps弱のエンジンに6速マニュアルを組み合わせた「Si」なんかもラインナップしていたりする。
 で、新型シビックRは、ノーマルのスポーティな足をさらに強化。“サーキットでタイムを刻む足”に仕立てている。
 スプリングやショックやスタビはもちろん、ナックルもハブベアリングもブッシュもタイプR専用品。どのくらい固めてあるかというと、ダンパーはノーマル(2.0GL)に対してフロントの伸びが153%に縮み264%、リヤは伸び309%に縮み277%、スプリングレートはフロント66〜164%/リヤ110%〜220%、スタビライザー径フロント107%/191%、そしてダンパーマウントブッシュが147%。そりゃあ、足が硬いわけだ。デートにはまず使えそうもない。
 ソリッドな乗り心地と引き換えに得たのは、いうまでもなく鋭いハンドリング。本当の狙いはサーキットでコンマ1秒を縮めるためのセッティングだけど、ブラウンの4枚刃のような鋭い切れ味は、試乗した芦ノ湖スカイラインでもじゅうぶん伝わってきた。
 フロントの舵角は、驚異的なほど正確。ちょっと速いかな? と思えるスピードでコーナーに進入しても、スキール音すら慣らさず素直にノーズを曲げていく信頼性を持っている。開発スタッフによると「後輪をしっかりグリップさせ車体を安定させ、さらにフロントの限界を上げた」というが、その意味はワインディングでもじゅうぶん理解できるほどだ。限界が高く、まるで腕を上げたと錯覚してしまうほど、今までよりもひとまわり速いコーナリングスピードでワインディングを走れる足になっている。
「リヤが粘りすぎて、ターンインが素直じゃない」なんていう声もちらほら聞こえるけど、それはサーキットの限界領域の話だろう。ワインディングを走る限り、ひたすら安定したスタビリティの高い足という印象だ。
 硬いけど、曲がる性能は確か。いいんじゃないの、「美人だけど性格の悪いオンナ」みたいで。そこに“やすらぎ”はないけど、接しているだけで、ドキドキだ。
タイヤサイズは225/40R18で、銘柄は非対称パターンのポテンザRE070。シビックR専用のスペシャルタイヤで、サイド剛性が極めて高い。 ブレンボブレーキは、シビックタイプRとしては初採用。フロントダンパーの減衰力は、DC5インテRに対して約1.25倍だ。
リヤブレーキキャリパーは赤いが、ブレンボではない。スプリングとダンパー(DC5インテR比で1.1倍の減衰)は別体式になっている。 足元は、滑り止めラバー付きのアルミペダル。アクセルペダルは、床から生えている、いわゆるオルガン式だ。
歴代タイプRとちがい、レカロシートは未採用。「ホンダR specシート」というホンダが開発したシートは、ホールド性も良好だ。赤内装も選べる。 トランスミッションは6速。DC5インテに対し、1〜3速は約4%ローレシオに、4〜6速は約1%ハイレシオ化している。シフトノブはアルミ製。
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