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ホンダ シビック タイプR From JDM-OPTION [2007.07]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
ホンダ シビック タイプR
HONDA CIVIC TYPE R PART3
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とにかくすべてが刺激的こんなクルマは、ホンダにしか作れない
「なんでタイプRが5ドアハッチバック(欧州仕様のシビック)じゃなくてセダンなの?」っていうひともいるけど、いいの、セダンで。だって欧州仕様の5ドアシビックなんて、所詮フィットをベースに大改良したボディなんだから。それよりも、4ドアセダンをベースにしたことで、新型シビックはたくさんのメリットを受けていることに注目だ。
 ベースとなったセダンが、ぶっとい骨格がストレートに通って高剛性の新開発プラットフォームだったおかげで、タイプR化に伴うボディ補強はわずか5カ所。(1)フロントバルクヘッドの接着剤追加(2)アッパークロスメンバー板厚アップ(3)サブフレーム取り付け部板厚アップ(4)リヤフロアーフレーム内スティフィナー追加/溶接点追加/接合部への接着剤追加(5)リヤクロスメンバー内バルクヘッド追加/リヤスタビライザー取り付け部板厚アップと最小限だ。重量にして、合計でわずか1.8kgの増加のみ。それでいて、DC5インテRより50%も高いボディ剛性をゲットしているのは、基本性能の高い4ドアボディの賜物だ。
 それから軽量化もしっかり手が入っていて、フロントバンパービームアルミ化、ダッシュボードインシュレーター廃止、フロアメルシート廃止、ミドルフロアアンダーカバー廃止、リヤガラス薄板化の合計5ヵ所。それから装備の簡素化も含めて軽量化はマイナス13.4kg。つまり、ボディ強化による重量増と差し引きでノーマルに対して10kg以上軽くなっているってことになる。
 それからエアロ。前後バンパーに大型リヤスポイラーがシビックR専用で、前後の空力バランスを整えた「速さに貢献するエアロ」になっている。大型のリヤスポイラーは好き嫌いがあるだろうけど、僕は好きだ。
 それにしても、トータルバランスが叫ばれるこの時代に、こんな尖ったクルマを作ったホンダは本当にすごい。というかクルマバカだ。一般道も走れるけど、得意領域はサーキット。乗り心地は悪い。音だってうるさい。快適性なんていう言葉は、最初から盛り込まれていない。きっと、商売としては成功しないだろう。いったいどこまで開き直れば気が済むんだ?
 だけど、そんなクルマを、決して多くはないコアなファンのために作ってくれたホンダは、本当にえらい。ノーマル車なのにサーキットを走って速い。峠も速い。アクセルを踏んでエンジンをまわしたり、ステアリングを切ることが気持ちいい。なにより、超刺激的。新型シビックRはまさに、クルマ好きのためのクルマなのである。 「F1をやるのは、社員の士気向上のためでもあるんです」と、かつてホンダのひとから聞いたことがあったけれど、ボクは、「ホンダにしか作れないタイプRを作り続けるのも社員の士気向上」のような気がしている。ちがうかな?
普通のシビックよりも鋭く、開口部の大きなフロントバンパー。グリルの「H」エンブレムはもちろん、タイプR伝統の真紅だ。 サイドシルガーニッシュは、エッジを効かせたデザイン。車高がノーマルより10mm低いだけでなく、スポイラー類の下端も約10mm低い。
リヤバンパーがディフューザー形状になっているだけでなく、車体下部の構造が、しっかりと効果のあるディフューザーになっている。 とにかく目立つ大型リヤスポイラーは、前後の空力バランスを整えるため。つや消しブラックになった中央部は、カーボンではないが中空構造だ。
試乗レポーター工藤ちゃんの総括
まわせばまわすほど気持ちよくなるエンジンと、強固なボディ、そしてガチガチのサスペンションがすごい。速くて、スポーツドライビングが気持ちよくて、とびきり刺激的だ。「快適」なんていう言葉はないけど、サーキットスペシャルの市販車っていう割り切りが潔いから許す!
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