TOP > ムービーコンテンツ > 試乗レポート バックナンバー > レクサス LS600h > PART 2

レクサス LS600h From JDM-OPTION [2007.09]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
レクサスエルエス600h PART2
LEXUS LS600h “Version S I package”
前のページ  2  次のページ
ハイブリッドカーは燃費がいいだけじゃない!
 ハイブリッドカーについて「燃費はいいらしいけど遅いクルマのことでしょ?」と思っているひとも多いと思うけど、それは半分正解で半分誤り。たしかにプリウスは燃費重視で決して速くはないけれど、プリウスがハイブリッドのすべてではないからだ。
 LS600hはLS460のV8エンジンを6.5mmストロークアップした394psのエンジンに224psのモーターを組み合わせたパワーユニットを積んでいる。いくらボディが2tをオーバーする重量級だといっても、単純に考えて“遅い”わけがない。プリウスは動力性能を抑えて燃費を重視しているから速くないだけであって、システムの制御によっては、モーターをターボのように補助装置として使い、燃費よりもパワーを狙うことができるのがハイブリッドの可能性なのだ。
 そこで、大きな燃費アップを狙わずに、モーターにより動力性能アップを狙っているのがレクサスのハイブリッドの考え方。ベンツSクラスやBMW7シリーズなどのライバルたちがV12エンジンを誇っているのに対し、ハイブリッドシステムを“最上級のアイテム”に使っているのがLS600hなのである。
 で、そんな445psマシンがどんな加速をするかといえば、ひとことで例えるならジェット機の離陸時の加速感だ。アクセル全開直後にいきなり最大トルクを発生するモーターの出力特性により、まるで後ろから押されるかのように猛烈なスタートダッシュを開始。これが、ある程度の回転域にならないと大きなトルクを発生しない内燃機関(普通のエンジン)との最大のちがいだ。
 そしてその加速は、エンジンが回転を上げてパワーを発生することでさらに増幅される。しかもそんな加速が、シフトチェンジの息継ぎなしで伸びるように継続するのだ。2tを超える巨体なのに、恐ろしいくらい速い。
 また、驚異的なのが中間加速。たとえば、追い越し車線で加速するというシーンがあったとしよう。そんなとき、アクセルを踏んだ直後の、力強く車体を前に押し出すパワーは、いままで体験したことのない頼もしさだ。
 以前テストコースで乗った際の話だけど、LS600hの真のパフォーマンスは100km/hを超えてからより強烈だと感じた。120km/h巡航から200km/hレベルの加速はほんの一瞬の出来事で、鋭さはハイスペックのチューニングカーとおなじレベルに到達しているといっていい。
 でも、LS600hの凄さは、余計な操作を必要とせず、そのまま右足でアクセルを踏むだけで簡単に、そしてスムーズに、涼しい顔で強烈な加速をしてしまうこと。それが、ターボラグがあったりシフトダウンが必要だったりするチューニングカーとの大きなちがいじゃないかな。
ボンネットを開けても、ほぼ全体がカバーで覆われているので実際にエンジンを見ることはできない。オレンジ色の配線は、エンジンルームのアクセントにもなっている。 インパネは基本的に、LS460と共通。ただし、上級グレードになるとインパネ全面を本革で覆ったスペシャルなインパネが標準設定される。
スターターボタンは、おなじみのプッシュ式。ハイブリッド車の場合、ここを押しても常にエンジンがかかるわけではないから最初は違和感がある。 タコメーターを装備しているのは、トヨタのハイブリッド車としてははじめてのこと。走行中に0を示すこともあるから、とても新鮮。ちなみに水温計はない。
ハイブリッドシステムの作動状態を表す、パワーメーター。大きな出力を発生しているときには大きく針がふれる。針がおとなしければ、高燃費を実現。 エンジンとモーター、バッテリー、そして駆動のエネルギーの流れを表示するエネルギーモニター。メーターパネル内にも簡易的に表示するパネルがある。
EVモードのスイッチを押すと、エンジンを止めて完全に電気自動車として走る。ただし、使えるのは低速でバッテリーに余裕のある状況だけに限られる。 トランスミッションは、遊星ギヤを使った無断変速式。ギヤ比を8段階に区切ったシーケンシャルモードも備えている。使うのは主に、エンジンブレーキを調整する際だ。
前のページ  2  次のページ
○ このページの先頭へ