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日産 フェアレディZ バージョンST From JDM-OPTION [2007.02] |
ムービーレポート |
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新搭載のHR系エンジンは、重量比で80%以上を新設計 |
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Z33がデビューした2002年7月、有明コロシアムで行われた新車発表会で、開発担当者の湯川伸次郎さんは「こんどのフェアレディZは毎年進化させていく」と公約した。毎年の改良はヨーロッパ車などでよくあることだけど、国産車でやっているのはスバルくらい。普通の国産車は、2年にいちどくらいの割合で外観や装備を少しだけ変更して「新鮮さ」をアピールするのが普通だから最初に聞いたときは「ホントかよ!?」と思ってしまった。 けれど、4年半が経過してみれば、湯川さんの公約はほんとうに有言実行となり、Zはしっかり進化を続けている。 2003年にロードスター追加し同時にインテリアの質感アップやブレンボブレーキのマスターバックの容量をアップ。2004年にはレース用ホモロゲモデルの「タイプE」を追加し、9月にボディカラー追加&シートリフターの全車標準装備化、ATにシンクロレブコントロールを採用。2005年には春にスペシャルチューニングエンジンと搭載した限定モデル「35thアニバーサリー」の追加、秋にはエンジンの改良(294ps化)のほかエクステリアも変更したマイナーチェンジを敢行。2006年には19インチアルミホイールを標準採用した「タイプG」という特別仕様車の登場。しっかりと、そして着実にZ33は進化している。 |
そして、2007年2月のマイチェンでは、いままで「Zの欠点」とわれていた部分を改良。その欠点とは、まるでアメ車かダットラのディーゼルエンジンのような高回転が苦手なエンジンだ。改良のメニューは、最高出力313psの新エンジンへの変更である。 新しいエンジンは、V36スカイラインでデビューしたVQ35HRエンジン。シリンダーブロックやクランクシャフト、ピストン、コンロッドなどエンジン主要部品はほとんど新設計している。重量比にして80%以上の部品がVQ35DEとは異なるというから、もはやリファインというより新設計エンジンと呼びたいくらい別物のエンジンに生まれ変わったといっていいだろう。 最高出力は先代から19psアップし、300psを越えて313ps。しかし、エンジン変更で注目すべきはスペックじゃない。ピストンやコンロッドなど「動く」パーツを軽量化したりフリクションを低減したりといった進化で実現したフィーリングの改善こそが、エンジン改良の最大の賜物なのだ。 ちなみにVQ35HRの「HR」とは、「High Revolution(高回転)」そして「High Response(高い応答性)」なんだとか。ついに、2007年モデルでZの最大の欠点にメスが入ったのである。 |
VQ35HRは、重量比で約80%の部品を新しくした次世代VQ35エンジン。左右対称吸気システムを採用しているが、排気系はスカイラインとは違い左右非独立となる。「HR」は、FR専用に開発された。 | ストラットとバルクヘッドは剛性アップのために鉄板で結ばれていて、バッテリーはその鉄板に囲まれて助手席のすぐ前に収まっている。バッテリーをこの位置に収めているのは、重量配分適正化のため。 | |||
インパネ周辺は、2006年モデルからの変更点なし。前回のマイナーチェンジでカーナビモニターの「リッド」は廃止され、形状が変更になっている。素材の変更などにより、初期モデルよりも質感は高い。 | 大きなレブカウンターを中央にレイアウトした3連メーターを採用。レブリミットは7500rpmだが、任意に設定した回転になると赤く光ってシフトアップを促すレブインジケーターを組み込んでいる。 |