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三菱 ランサーエボリューションX From JDM-OPTION [2008.2]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
三菱 ランサーエボリューションX PART2
MITSUBISHI LANCER EVOLUTION X GSR
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コーナリングの姿勢は安定した弱オーバーステア
 じつは、いちばん感動したのは、ドライバーのミスをクルマがリカバリーしてくれるところ。ワインディングを走っているときなど、ちょっとステアリングを切るタイミングを間違えたりすると、想定していた走行ラインをトレースできないことがある。経験から直感的に「あっ、 曲がらない!」と感じても、エボXは何事もなかったかのようにラインをトレースしてしまうのだ。ボクがエボXでもっとも進化を感じたのは、そんな状況。
 まるでクルマがドライバーの考える理想のラインを読み取っているかのようにクルマが曲がりこんでいくんだ。なんだよこれ‥‥!? 「しょうがねーなー、正しいラインを教えてやるよ」エボXに口があったら、きっとそう言っているんだろう。そして、そんな状況が起きるたびに、クルマに向かって「ごめんなさい」しているボクがいるのも、また真実だったりする。
 これはもう、サスペンションの設定がどうのこうのっていう世界じゃない。すごいのは、4WDシステムだ。じつは、新しいランエボのシステムの肝は「S-AWC(Super All Wheel Control)」という車両運動統合システム。「ACD」や「AYC」に加えて「ASC(車両安定化装置)」と「ABS」を総合的に制御することで、意のままのハンドリングと圧倒的な安定性を作り出しているのだ。
 つまり「S-AWC」という頭脳がドライバーの意図を読み取り、4輪に最適なトルクを配分する。「S-AWC」はたくさんのセンサーを持っているから、タイヤがどんな状態にあるのかを絶えず管理し、グリップとスリップを1秒間に何千回という回数で絶妙なコントロールをおこないクルマを「アンダーステア」にも「オーバーステア」にも自由にコントロールしている。アンダーとオーバーを上手に使い分けることで、エボXは“安定した弱オーバー”の驚異的なオン・ザ・レールを実現しているのだ。
 人間にはそんなことできっこない。だから、エボXならばドライバーの想像を遥かに超える走りができるのである。う〜ん、凄いじゃないか。
4G63から世代交代した4B11エンジン。最高出力こそ280ps超えはなかったが、低中回転域のトルクはよりフラットに、高回転の吹け上がりはよりスムーズに進化した。タービンは、「TD05HA-152G6-12T」というチタンアルミターボチャージャーだ。 フロントフェンダーの後ろ側にはエアアウトレットを備えている。もちろん、見た目だけでなく機能装備。レーシングカーなどではホイールハウス内の空気を抜いて空気抵抗を低減させるために使われるが、エボXではエンジンルームの熱気を抜くために活用されている。
RECARO製のバケットシートは、全車標準装備。市販品の「SR-11」をベースにして骨格の大部分を共用しているが、パッドやサイドサポートの形状はランエボ用の専用設計になっている。メーカーオプションでは、一部をレザー張りにした仕様も選択可能だ。 表皮を張り替えているものの、リヤシートの形状はベースのフォルティスとかわらない。居住性はもちろん、快適性も先代に比べて大幅に高まっていて、乗り心地だけでなく遮音性能も進化。レザーコンビネーションインテリアを選ぶと、さらに遮音性能が高まる。
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