「周回レース等のグリップ走行って、走行後にロガーのデータを見て“次はココでもう少し早めにアクセルが開けられるな”とか“ブレーキングが甘かった”みたいにストイックになっちゃうよね。ロガーを持ってなければ、乗りこなしているのか、まだ詰められるのかも判りづらい。こうなると“見えないもの”を追わなくちゃいけない状態だからすごく大変! その点ドリフト走行は出来ても出来なくても苦痛ではないし、ちょっとずつ上達していく過程がなにより楽しいよネ。グリップはマシンが主役になりがちだけど、ドリフトはドライバーが主役。年齢も関係ないしモータースポーツの第一歩として最適なカテゴリーなんじゃないかな!」(YASHIO Factory 岡村)
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SR20DETエンジンで450ps以上を狙うとなると強化スリーブや鍛造ピストンなどのパーツが必要になるから、コスト的にもそれなりの覚悟が必要。よって、ストリートカーとしても末永く使っていくために安全マージンを考えると、許容馬力は430psまでだね。このパワーを効率良く出すには、YPタービンとハイカム、550cc/minインジェクターとニスモ燃料ポンプ、Z32エアフロを装着。インタークーラーを前置きタイプに交換して吸気温度を50℃以下に抑えるのがポイントだよ。YPタービンなら6800回転でピークパワーが出て、7500回転まで400ps以上がキープできるからドリフト走行にはすごく有効なんだよ。
グリップ走行とは違って、ドリフト走行は半クラッチを多用するからヤワなクラッチじゃダメだよね。かといってミッションに負担をかけるような“ドカン”と繋がるタイプも向いていない。こう考えるとニスモのカッパーミックスクラッチがベストなんだ。ミッションはノーマルのままだと6速が離れているので、ニスモの6速ミッションがオススメ。LSDも同じくニスモのGT LSD Proで、イニシャルトルクはストリートならMIDDLE、ドリフト競技ならHIGHに調整すればOK。ドリフトは駆動系に想像以上のストレスが掛かるから、強度がある信頼性の高いパーツをチョイスしようね。
ストリート仕様ならば普段の使い勝手を考えるとロールケージは入れたくないし、フルスポットというのも大袈裟すぎ。ストリートならばノーマルS15シルビアのボディ剛性でも問題ないよ。その代わりにサイドサポートバー等を入れてボディ剛性を高めてあげればOKでしょ。それとエアロパーツに関してだけど、立体駐車場のパレットや地下駐車場へのスロープで“ガリガリッ”というのもいただけない。ウチのエアロはそういう部分まで考えてデザインされているんだ。足まわりにしてもシナらせて曲がっていくという味つけだから、競技に使える足でありながら実は乗り心地も悪くない。こういう風にクルマを作っていったほうが街でも“スマート”でしょ!
常に高回転域を多用するドリフトという性格上、水温･油温は必ず上がるもの。オイルクーラーはもちろん、ラジエターの大容量化は必要だよね。ラジエターは銅製の3層をチョイスして、ここ一番でさらに冷やしたい場合のためにウォータースプレーまで装備しておけば安心。穴開きボンネットもカッコじゃなくてクーリングのためだからね。そしてエンジンオイル。走行後にエンジンがカチャカチャいうようなオイルはパスすること。ウチではHKSとスピードマスターの100％化学合成油を使っているんだ。シルビア(SR20DETエンジン)でドリフトする場合、オイル粘度は10W-50を基本に考えて、走行毎に交換しておけばエンジントラブルの回避にもつながるよ。
筑波サーキット1分切りは朝飯前、ドリフトさせてもD1GP選手としてポイントをゲット。そんなチューナー兼ドライバーでもある岡村さん(通称:岡ちゃん)が代表を務めるYASHIO Factoryは、国内はもとより世界のシルビア乗りからも注目される実力派ショップ。サーキット専用マシンであるD1GP号とは一線を画す、今回紹介したストリート仕様でのこだわりをみてもわかるように、適材適所、常にお洒落でスマートなマシンメイクが特徴だ。ことシルビアに関してはS13、S14、S15すべてに精通しているので、走るステージやドライバーの技量に合わせてばっちりセットアップしてもらえるゾ。
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