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SPECIAL3 ドラッグレース編
TECHNICAL SHOP INFINI流 スープラ(JZA80) 最速ストリートドラッグ仕様
ドラッグレースはATミッション車でも楽しめるんですよ!
「ドラッグレースは、ドライバーとしてはひとつのミスも許されないところがスリリングだし、チューナーとしてはやったことが素直に結果に繋がるという部分が楽しいですよね。今回紹介するスープラ(JZA80)は“AT(オートマチック)ミッション仕様”というのが特徴です。ATといっても外国製の特殊なドラッグ専用ATミッションではなく、純正ATミッションをベースにした強化品なんですよ。ベース車としてのスープラ(JZA80)は、搭載されているエンジン(2JZ)や駆動系など、チューニングをしていくうえで強度が重要になってくる部分の作りが堅牢なのがメリットです。丈夫なベース車であることによって、チューニングのレベルが上がってくればくるほど、逆にトータルでのチューニングコストを低く抑えることができるんですよ。」(TECHNICAL SHOP INFINI 宮田)
TECHNICAL SHOP INFINI流 最速ストリートドラッグ仕様 マシンメイキング
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ポイント! その1 エンジン編
スープラで10秒フラットを目指すなら1000psは欲しいですね。エンジン本体側は鍛造ピストンにH断面コンロッド、強化メタルにハイカムシャフトというメニューを基本にして、タービンはTO4Zをチョイスします。これでエンジンパワーは700ps程度。これにNOS(ナイトラス・オキサイド・システム)を打ち込んで500psを追加、都合1200psということになります。もっとパワーの出る“T51Rタービン”等を敢えて選ばないのは、2000回転程度(スタート直前のNOS噴射で3000回転前後)の低回転からスタートを切ることになるATミッションの特性上、早くブーストをかけたいという意向からです。4チャンネルあるNOSは、スタート直前に1本、ブレーキを離した0.4秒後にもう1本、3本目&4本目は車速で管理して、特に後半でタイムを稼ぐようなセッティングにしています。
ポイント! その2 駆動系編
ノーマルのATミッションの伝達能力は400psくらいが限界値です。そこで、クラッチ板の摩材を変更し、さらに1枚あたりの厚みを薄く作って枚数を多くするという手法で対応馬力を上げていきます。各ギヤにはWPC加工を施して、アキュームレーターのストロークやバネレートを調整。ライン油圧のサジ加減でミッションを破損させることなく1200psを使えるように強化してあります。と言ってしまうと簡単なようですが、今の仕様になるまでは試行錯誤の連続で、数年がかりでようやく熟成の域まで持ってこれたという感じですね。マニュアルミッションとは違い、急激な負荷がプロペラシャフトやドライブシャフトにかからないので、基本的にトラブルフリーになるのがこの仕様のいいところでもあります。
ポイント! その3 ボディ・足まわり編
スープラ(JZA80)には、ルーフが取り外せる“エアロトップ”というグレードが存在します。ルーフがなくても剛性が確保できるようにと設計されたシャーシなので、標準ルーフ車ならば尚のことボディ剛性がシッカリしているんです。ただ、安全性の面でロールケージは装着しましょうね。サスペンションはアラゴスタベースのオリジナルドラッグ仕様(F:10kg/mm、R:4kg/mm)で、ストロークを長くとってリヤを沈ませる方向でセットアップしていきます。ですが、ゴール付近の終速は約250km/hにもなるので、いつまでもフロントが持ち上がったままでは空力が悪く速度も伸びなくなるので、200km/h付近で車体が水平になるようなセッティングにしています。
ポイント! その4 トータル編
スープラ(JZA80)のATミッション車は、きっちりセットアップしたブーストアップ仕様(420〜430ps)で12秒台後半、TO4Zタービンへの交換で11秒台後半は狙えます。そこから先はクルマの軽量化であったり、専用のサスペンション&タイヤを使ったり、このクルマのようにNOSを使ってタイムを詰めていくことになります。ATミッション車ならばドラテクに自信がないひとでもドラッグレースを存分に楽しめるのがいいですね。ちなみにウチにはATミッション車で9秒台、10秒台に入っているクルマが6台いて、マニュアルミッションを捨て、あえてATミッションに換装された方もいるくらいなんです。新定番としての“ATミッション・ドラッグ仕様”というジャンルにも注目してくださいね。

「TECHNICAL SHOP INFINI」は1988年にオープンした老舗チューニングショップ。代表の宮田さんはトヨタ技術トレーナー出身で、そのセットアップ技術の高さは同業者からも一目置かれる存在だ。“中途半端なチューニングならやらないほうがいい。しっかりセットアップしたクルマで、チューニングカーならではの魅力を味わってほしい”という宮田さんのこだわりに共感し、ファンになったユーザーは数知れない。今回紹介している9秒654を記録したスープラはドラッグ専用のレースカーではなく、ナンバー付きの合法ストリートカー(乗車定員変更で1名乗車)というのにも驚きだ。

TECHNICAL SHOP INFINI

埼玉県川口市西立野472  Tel: 048-294-6161
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