「“タイムを詰めていく”という感覚は、周回コースでのタイムアタックやレースと同じなんだけど、ドラッグレースの場合は自分の走行レーンが決まっているから“相手にコースを塞がれた”みたいな言い訳はナシ。しかも2台で戦う競技だから“勝ち”か“負け”しかないシンプルなところも好きだね。ドラッグレースって人間の100m走に似てるんだ。人間の体力に該当する部分がエンジンパワーで、根本的にパワーはあったほうが有利。履いている靴は足まわり&タイヤで、いかに路面を捉えることができるか? ということになる。そしてスタートシグナルに合わせていかに早く飛び出すか、飛び出したあとどのようにスピードを乗せていくか、みたいな。自分の性格もそうなんだけど、勝敗の白黒がはっきりするドラッグレースが大好きなんだよね!」(GARAGE SAURUS 林とっくり)
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スカイラインGT-R(BCNR33)のエンジン仕様の違いによるターゲットタイムは、ブーストアップの400ps仕様で11秒台後半、ポン付けタービン仕様で10秒台後半といったところかな。さらにビッグタービンへの交換で10秒台前半、プラスしてエンジン本体にまで手を入れた仕様で9秒台がみえてくる。そこに足まわりのセッティングやドラテクの要素が加わることで9秒フラットを実現することができるんだ。9秒フラットを達成するのに最低限必要なパワーは900ps。排気量は2.6リットルのままでも可能だけど、87φ×77.7mm(ボア×ストローク)の2.8リットル仕様にしておけばトルクでアドバンテージがあるぶん、ちょっとしたミスならリカバリーできるからドライバーは楽になるよ。
ノーマルミッションで対応できるパワーは600psまで。約1000psという大パワーを伝達するには強靭なクラッチとミッションが必須だね。クラッチはガツンと繋がるタイプだとミッションを壊しちゃうから、多少スベってからガッチリ繋がるタイプが理想。ちなみにウチではORCの1000FドラッグSPLを使っているんだ。ミッションはOSの6速シーケンシャルで、クスコの2ウェイLSD&ファイナル4.1をチョイス。タイヤはDOTラジアル。これで5速8500回転でゴールできれば9秒フラットは確実! シフトアップしたときに、MAXパワーの回転域にドロップさせるのではなく、MAXトルクが出ている回転数に合わせてドロップするギヤ比へのセッティングがタイムアップのポイントだね。
まず、シッカリした箱(ボディ)じゃないと9秒フラットは狙えないよ。ノーマルボディのままだとボディ自体がどんどん劣化していって、正しいアライメントや左右均等の車高がそろわなくなる。こうなると左右でタイヤの接地面圧が変わってしまい、トラクションが掛かりにくくなるし真っ直ぐも走れなくなる。ロールケージもただ取り付けるだけじゃなく、部分的にボディと溶接してキチンとした剛性を確保したいよね。サスペンションはフロント6kg/mm、リヤ5kg/mmのスプリングで自由長の長いものを。タイヤはミッキートンプソンorフージャーのDOTラジアルでキマリ。空気圧は前後とも0.8kg/cm²を基本に、路面コンディションに合わせてセットアップしていくのがベターだろうね。
スカイラインGT-R(RB26DETTエンジン搭載車)には、BNR32と今回紹介したBCNR33、それにBNR34という3タイプがある。BNR32は軽量という点でメリットが大きいけど、短いホイールベースなので直進性がネック。乗り手を選ぶピーキーなイメージかな。BNR34はベースとしては良いんだけど、なんせ車重があるからタイムを出すにはひと苦労だね。BCNR33も決して軽いクルマではないのでアルミ製のラジエターを使ったり等々、軽量化はしていくけど、BNR34と比べたら車重はそこそこ。なによりも抜群の直進性でアクセルを踏んでいけるし、空力ボディの恩恵もあって後半の伸びがイイ! FF車やFR車と違って、スタートダッシュに優れる4WDだから10秒台に入る仕様ならば比較的リーズナブルに実現できるし、9秒台はもちろん、8秒台も狙えるベース車というのは魅力的でしょ!
今年で設立20年周年を迎える、国内屈指のドラッグ系チューニングショップ「GARAGE SAURUS」。代表の林とっくり氏自身がステアリングを握りドラッグレースに参加しているだけに、チューニングのノウハウやドラテクのポイントなど、ドラッグレースに関するデータ量は膨大なものになる。“ユーザーに最高のチューニングを提供したい”という思いから、新しいパーツが発売されれば即装着&テストをして、本当に使える“良いアイテム”を熟知。「好きなパーツを、好きなショップで組んでもらうのがベスト。速い遅いよりもユーザー自身が満足できる。そんなクルマを作っていきたいですね。」という走り屋心をわかってくれる実力ショップだ。
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